スポークホイールについて
スポークホイールの種類は大きく分けるとスポークを交差するかしないかの2つに分けることができます。
ラジアル組
スポークが交差しないでハブから放射状にリムへ接続されている組み方。スポークの長さが最短になるため重量を軽くすることができます。トルク伝達があるリヤ側には不向きで、フロントに使用するのが一般的です。
タンジェント組
スポークが交差する組み方。ハブからリムへのトルク伝達に適し、衝撃吸収性が高くほとんどの自転車に採用されています。
交差の種類
4本組(2クロス)
フランジから伸びているスポークを4つ間隔をあけて交差させる組み方。どのスポークも他のスポークと2個所交差することから2クロスとも呼ばれています。
対応スポーク本数:28H・32H
6本組(3クロス)
フランジから伸びているスポークを6つ間隔をあけて交差させる組み方。どのスポークも他のスポークと3個所交差することから3クロスとも呼ばれています。
対応スポーク本数:28H・32H・36H
8本組(4クロス)
フランジから伸びているスポークを8つ間隔をあけて交差させる組み方。どのスポークも他のスポークと4個所交差することから4クロスとも呼ばれています。
対応スポーク本数:36H
スポークパターン
図のように色が付いているスポークがトルク(回転力)をリムに伝える役割をしています。このトルクを伝えるスポークがフランジの内側から伸びているスポークか、外側から伸びているスポークか、によって特徴が変わってきます。フランジの右側に2種類、左側に2種類と全部で4種類の組み合わせ方があります。
一般にフランジの内側から外側へ出ているスポーク(外側のスポーク)が負荷に強いと言われていますが用途によって適切な組み方があります。
※赤い矢印は進行方向です。※
イタリア組
左右とも外側のスポークでトルクを伝える組み方。
ロードバイクなどのスピード重視の自転車に採用されています。左右とも負荷の強い外側のスポークでトルクを伝えるので前進に非常に有利です。
反イタリア組
左右とも内側のスポークでトルクを伝える組み方。
ディスクブレーキ仕様のフロントホイールに採用されることが多いです。ピストではあまり関係ありません。
JIS組
コグの付いている方が外側のスポークで、付いていないほうが内側のスポークでトルクを伝える組み方。
ピストのリヤなどに採用されています。固定ギヤ特有のバックを踏んだ時に、色がついていないスポークに負荷がかかります。この時イタリア組だと左右とも内側のスポークに負荷がかかってしまいます。そのため前後の負荷に対応できるJIS組がピストのリヤに採用されてるのです。
トラックハブの両切りの場合、ホイールを反転させるとスポークパターンが逆になってしまいます。(例えばイタリア組だったら反イタリア組になる。)JIS組だと反転させてもJIS組なので変わらなく使用できます。
反JIS組
コグの付いている方が内側のスポークで、付いていないほうが外側のスポークでトルクを伝える組み方。
あまり使われることがありません。
応用編
タンジェント組+ラジアル組
リヤホイールにおいて、トルクがかかるコグが付いている側をタンジェント組にし、負荷が小さい逆側をラジアル組で組む方法。リヤホイールにもラジアル組の利点を持たせることができるハイブリットな組み方です。
モランボン(ねじり組)
タンジェント組の交差する部分をねじる組み方です。ねじりの回数、場所などバリエーションがあります。剛性がUP!見た目のインパクト大です!
ダブルクロス
2クロスや3クロス、4クロスと呼び名がありますが、見た目がそれぞれ2~4個所交差していることからそのような呼ばれ方をしています
どの組み方も実際に交差している(スポーク同士が接触して押し合っている)のは1本のスポークに対して緑色の丸1個所だけなのです。
そしてこのダブルクロスは1本のスポークに対して、下の図のように緑色の丸と青色の丸の2個所を交差させる組み方のことをいいます。
利点として、剛性の向上がねらいです。この組み方はスポークが歪むぐらいテンションがかかりますので、8本組(4クロス)で組むのが一般的です。その他の組み方で組むとスポークに負担がかかりすぎてしまうので注意!